お金で買えないもの
この仕事をしていると、時々客さんからいただきものがあります。
喜界島出身のMさんからお母さん特製の「ゴマカシ」をいただきました。
黒砂糖を溶かして、すった胡麻をドバーッと入れて固めて切ったお菓子。
香ばしくて、口の中でジワッと解けていく時の味と香りが何ともいえず素朴でおいしい。
Mさんは子供のころからよくお母さんに作ってもらっていたそうです。
これがウチの中学生の息子の大のお気に入り。
以前いただいた時に喜んで食べていて、
先日、「お母さんあのゴマカシがまた食べたい」
と言い出しました。
「あれはお客さんのお母さんの手作りで、
わざわざその人のために作って送ってくれたものだから、もうないとよ」
「買ってこれんと?」
「売ってるものじゃないとよ」
と言うと残念そうな顔をしました。
私が作ってやってもいいけど、きっとおいしくないだろうなあ。
と、Mさんに話したら、
「ああ、それならまだ冷蔵庫に残ってるよ」
さっそく持ってきていただいた。
ご主人には
「自分が食べんで冷蔵庫に残っとったようなもんを人にあげるんか?」
と言われたらしいけど、息子は大喜び。
冷蔵庫から一つずつ出してはほおばっています。
Mさん、Mさんのお母さんありがとうございます。
ほん~っとにおいしいです。